おまんは、それはそれは働き者で力持ちで、たちまち村中の評判になりました。牛のように力持ちで、からすきを手で
引っ張って田を耕してしまうのです。
ところが、「こんな女は、この先なにをするかわからん。」と、近所の人々は恐れるようになりました。村の人たちも、
「今のうちに帰してしまえ。」と、さかんに云うようになりました。弥八の家がみるみる豊かになっていくのをねたんだ
のかも知れません。
弥八は、ついに帰すことに決めました。村人たちの口にさからうことができず、そこでおまんは、泣く泣く帰されてい
ったということです。おまんはそれからどうしたことやら、何もわかっていません。
働き者のおまんの悲しいものがたりです。