一之瀬の長彦神社のことを、ながしこさんと云う人がいます。
そして、この神様はむかし、流れてみえたので、流し彦さんだと云う人もいます。

 上石津には、流れてきた神さまという言い伝えが、あちらこちらにあります。

 長彦神社には、風の神さまがお祀りされています。毎年、お祭りの日には、前の川の神明渕(しめぶち)で獲れた魚を
お供えしたと伝えていますが、今ではその渕も埋まってしまいました。

 むかし、祭りの日にのぼりを立てたら大風で倒れてしまいました。それで、この神さまはのぼりと鳥居は嫌いなのだと
いう噂が広まって、それが本当のことのように思われてきました。

 しかし、そんなうわさはおかしいとか、これだけ立派な境内に鳥居がないのはさびしいということで、多くの氏子の方々
の協力で、昭和56年に鳥居が建造されました。

村の鎮守の長彦神社のいわれです。

川東 昔ばなし
落ち武者のたたり